公開シンポジウム「東日本大震災 奈良で考える復興と文化」(7/9奈良)

首都圏ネットMLに本日、藤田明良さま(天理大学教授/歴史資料ネットワーク副代表)が投稿してくださった情報です。


メール本文によると、「保全救援ネットワークの設立を直接目的としたものではありませんが、ネットワークづくりの契機になるような議論をしたいと考えています。」とのこと。
ご参集いただけますよう、お願い申し上げます。


以下、藤田さまからいただきましたメールから引用します(アクセス情報を追加しました)

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公開シンポジウム「東日本大震災 奈良で考える復興と文化」


日時14:00〜17:00(13:45開場)

会場:奈良女子大学文学系S棟 S128教室
(〒630-8506 奈良市北魚屋東町 /近鉄奈良駅より徒歩5分)
アクセスマップ http://www.nara-wu.ac.jp/accessmap.html
キャンパスマップ http://www.nara-wu.ac.jp/campus.html

備考:入場無料・一般来聴歓迎


主催:奈良歴史研究会


《趣旨説明》
藤田明良(天理大学教授/歴史資料ネットワーク副代表)


《現地からの報告》
吉川圭太(人と防災未来センター震災資料専門員)
*歴史資料の救出・保全活動から見た現地の被害と復興


《コメント》
金田明大(奈良文化財研究所主任研究員)
*救援体験から考える文化遺産の防災・復興の課題

福井 亘(京都府立大学大学院准教授)
*歴史的景観(自然・文化遺産)の被害と復興の課題

田中慶治(葛城市歴史博物館学芸員)
*98年台風体験から考える奈良の地域遺産防災の課題

《ディスカッション》


【趣旨】
 公開シンポジウム「東日本大震災 奈良で考える復興と文化」


甚大な被害をもたらした東日本大震災。被災地では復興に向けてのさまざまな模索や努力が展開されている。地域の再生をめざす歴史資料や文化遺産保全救出活動もそのひとつである。
 今回の大地震によって東日本は地震活動の活発期に入ったといわれるが、中部・西日本でも年々発生確率の高まっている東海・東南海・南海大地震の脅威があり、活断層等による直下型地震の危険は列島全域が共有している。また、集中豪雨による洪水や土石流も年々頻度を増す傾向にある。さらに、過疎化・高齢化も地域遺産の継承を危機にさらしている。
 このような事態に備えようと、近年、歴史資料・文化財の危機管理という観点から、全国各地で緊急時の救援シミュレーションや平時の防災のとりくみ、各自治体・研究機関・ボランティアの連携が模索され始めていた。今、被災各地で実施されている未指定文化財を含む地域遺産のレスキュー活動は、このような動きの延長でもある。関西からも阪神淡路大震災を機に生まれた歴史資料ネットワークや奈良文化財研究所をはじめ、様々な団体・機関・個人が、救援・支援の輪に加わっている。
 東日本大震災によって、被災地はどのような事態にさらされているのか? 復興に向けてどんな取り組みがなされているのか? 被災地に対して、私たちは何ができるのか? 災害危険レベルが上昇している日本列島で、地域文化を守るため、私たちは何をすべきなのか?
 災害が少ないといわれる奈良でも、幕末の伊賀上野地震では数百人の死者を出し、死者2名を出した十三年前の台風7号では、室生寺五重塔はじめ数々の文化遺産が被災している。今回の東日本大震災の被害、現地で展開されている地域遺産を守る取り組みの報告を受けて、奈良で何かできるのか、地域遺産を守るため何をすべきなのかを考えていきたい。

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