【転載】文化財等の被災状況:ふくしま史料ネットから
ふくしま史料ネット事務局の本間さんから頂いたメールを転載します。
二通頂いたのを併せて転載いたします。
なお、福島県内の被災状況については、
http://blog.ap.teacup.com/fukushimanet/
に各地域の被災状況へのリンクがあります。
併せてご覧ください。
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4月3日の福島民友新聞14面の記事をご紹介します。
【文化財にも震災爪痕 生活優先で復旧後回し】(2011年4月3日「福島民
友」ニュース)
東日本大震災は県内各地の文化財にも大きな爪痕を残した。被害状況が徐々に
明らかになっているが、国や自治体の関係者からは「今は生活の復興が最優先で
、文化財の復元作業までは手が回らない」との声も聞こえてくる。
いわき市の太平洋に浮かぶ照島。渡り鳥ウミウの生息地として知られ、国の天
然記念物に指定されている。ウミウが越冬する島の頂上部分は本来、平らだった
が、震災後は明らかに形が変化しているのが分かる。近くの海水浴場にボートが
散乱した状況から、津波が押し寄せたとみられる。いわき市教委には市民から「
照島の一部が崩落している」との情報が寄せられていたが、市職員は避難所対応
などを優先し、現状把握に至っていない。
国重文に指定されている桑折町の旧伊達郡役所は基礎石がずれ、内部には亀裂
が多数確認されている。階段は壁面が崩れ、足の踏み場もないほど。町によると
、余震ごとに被害が広がっているが、復旧の見通しはたっていないという。
1909(明治42)年に建築され、国登録有形文化財に指定されている福島
市の竹屋旅館は土蔵に大きな被害が出たため、取り壊されることになった。南土
蔵は建物自体が傾き、西土蔵は屋根瓦がはがれ落ちて、専門家が診断したところ
倒壊の恐れがあるとされた。現役の旅館として中心市街地の象徴だった。
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(前略)福島市の中心市街地にある、国登録有形文化財の福島教会も、煙突が崩
れるなどの影響を受けた。ほかの建物を巻き込み倒壊する恐れがあるとして解体
作業に着手。大丸百貨店心斎橋店(大阪市)や関西学院(兵庫県西宮市)などを
手掛けた米国人建築家ヴォーリズ(1880〜1964)の設計で100年以上の歴史を誇る。
(中略)
猪苗代町の国重文・天鏡閣は建物にひびが入り、ガラスが数カ所割れるなどの
被害が出た。同じく国重文の安積歴史博物館(郡山市)もひびなどが確認された
。
会津若松市では、鶴ヶ城本丸の石垣の一部が崩落。国指定名勝の松平氏庭園「
御薬園」では重陽閣の天井が落ちるなどの被害があった。
昨年、国史跡に指定された白河市の小峰城跡は石垣が崩れ落ち、白河藩主松平
定信公を祭る南湖神社は鳥居や灯籠が倒壊した。
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ふくしま史料ネット事務局の連絡先は以下の通り。
ふくしま歴史資料保存ネットワーク(略称「ふくしま史料ネット」)
事務局 960-8116 福島市春日町5-54 福島県文化センター内
事務担当 本間 宏 (福島県文化振興事業団 歴史資料課)
代表メール office●history-archives.fks.ed.jp (●は@)
TEL 024-534-9193 FAX 024-536-1926